活動報告

中3(SR)「北上川フィールドワーク」

 7月5日(日),梅雨の合間の曇り空の中,石巻市北上町大須で「北上川フィールドワーク」を実施しました。
 本校高校1年が北上川上流の岩手県八幡平でフィールドワークを行っていることを踏まえ,中高の学びの連続性を深めることを目的に,中学3年の時期に北上川下流でのフィールドワークを行うことにしました。
 予定どおり午前10時頃,現地に到着した生徒たちは,NPO法人「りあすの森」顧問の武山文衛さんから「北上川葦原の昔と今」という題で講話をいただきました。続いて,事前指導でお世話になっている東北工業大学工学部環境エネルギー学科教授の山田一裕先生から水生生物観察後の葦原再生作業の段取りについて説明をいただきました。
 講話をいただいた後,生徒たちは早速干潟に入り,グループごとに設定した50㎝四方の方形区から泥を取り出しました。その泥を何度もふるいに入れ川の水で洗い流しながら,水生生物(ゴカイ,チゴガニ,シジミなど)の観察を行いました。また,干潟を流れる小川に網を入れるとハゼの稚魚や小エビなどをたくさんすくうことができ,生徒たちは大喜びでした。改めて,自然と語らうことの喜びや楽しさを感じることができました。
 続いて,生徒たちは葦の移植活動に取り組みました。「葦を掘り起こす」「葦を運ぶ」「葦を植え付ける」の3グループに分かれ,意欲的に活動しました。しかし,頑張れば頑張るほど泥に足をとられ,一人また一人と心ならずも泥に身を投じる女子生徒が… 限られた時間の活動で移植できた範囲はわずかでしたが,貴重な体験になりました。
 昼食後は熊谷産業に移動し,会長の熊谷貞好さんから「葦」について,「縄文時代のたて穴住居のしくみは葦を利用した建築方法と同じ。現在ホームセンター等で売られている葦簀(よしず)は輸入したものがほとんど。葦の利用の在り方は多様で様々なものに利用できる。日本人は葦の良さを見直し,積極的に利用すべき。葦原の保存においても刈り取って使用するのが一番。ほったらかして置くのは良くない。」とのお話をいただきました。また,熊谷さんからは「自然とどう共存していくかは,これからの時代を生きるみなさんにとっても大きな課題になる。」とのメッセージが贈られました。
 生徒たちは座学では学べない,フィールドだからこそ学べたことをたくさんのお土産にして帰路に着きました。

 

方形区の設定と泥の採取
ふるいで泥を洗い流す作業
水生生物の採集

葦の掘り起こし
葦の運搬
葦の植え付け