仙台二華高校には特色ある取組がたくさんありますが、その取組の1つが「グローバルスタディ課題研究」(学校設定教科)です。『世界の水問題の解決』をテーマに生徒が自ら課題を見つけ、2年間(科目の選択によっては3年間)にわたり探究活動を行います。
この活動の一環として高校1年次生対象の北上川フィールドワークを9月25日(木)、26日(金)の2日間で実施しました。岩手県と宮城県にまたがる北上川に関して、その歴史や周辺の地形、自然環境、近隣の自治体が抱える様々な課題などについて、実際に現地に赴いて学びます。1日目は、7つのHR(ホームルーム)が3つに分かれ(1)東松島市の野蒜海岸、洲崎湿地(2)伊豆沼サンクチュアリセンター(3)北上川ダム統合管理事務所(四十四田ダム)、旧松尾鉱山新中和処理施設をそれぞれ訪れ、研修を行いました。2日目は八幡平中腹にある旧松尾鉱山跡地で育樹活動(補植・追肥)を行いました。この鉱山はかつて東洋一の硫黄産出量を誇った鉱山でしたが、硫化鉄鉱と水(雨水や地下水)、酸素が反応して発生する強酸性水が、閉山となった今でも流出していて大きな問題となっています。そのため,現在大規模な中和施設が設置されていますが、その維持費は年間5億円にも及んでいます。鉱山にはまだまだ大量の硫化鉄鉱が眠っていますが、それと反応する水が地下に流れ込まないよう山の保水力を高めるための緑化活動がこの育樹です。10年以上継続しているため、かつての生徒たちが植えた樹木も大きく育っています。当日は天候に恵まれ、近くに岩手山を望みながら、生徒は黙々と作業を行っていました。慣れない作業ではありましたが、全員が充実した達成感あふれる表情で終えることができました。環境保全の規模としては小さいかもしれませんが、継続していくことでいつか環境が蘇ることを期待し、これからもこの活動を続けていきたいと思っています。