活動報告

活動報告 平成27年度

土木学会東北支部技術研究発表会で研究成果を発表しました

 3月5日(土),学校設定科目「SGH課題研究ⅡA」で東北大学大学院の先生方と連携しながら研究を進めてきた高校2年生10名が,岩手県盛岡市にある岩手大学で開催された「土木学会東北支部技術研究発表会」で研究の成果を発表してきました。
 発表者と発表題目は以下のとおりです。

『大阪市における内水氾濫常襲地の分布とその特性』 室井 佳純さん 小柳津 唯花さん
『河川清掃活動に対するボランティア参加意志と金銭的協力意志』 東海林 幸史君
『河川の意識調査のための旅行情報分析』 末永 夏子さん 橋本 彩子さん
『広瀬川の河川空間利用実態とその特性』 佐々木 彩音さん 千葉 沙也加さん
『親子の川に対する意識の関連性』 顧 豪君
『河川における行動分析』 伊村 うららさん 立花 李夏さん

 会場には東北大学のスタッフの方や大学院生,学部4年生の方をはじめ総計約30人に出席してもらいました。中には民間企業の方も出席しており質問もして頂きました。1グループにつき発表時間は7分,質疑応答3分でした。質疑応答では大学院生を中心にグループにつき約3つ質問をしてもらいました。なかには難しい質問もあり,生徒達は答えるのに困ったそうですが,自信をもって答えておりました。
 発表後,これまで指導して下さいました風間聡先生,小森大輔先生,福本潤也先生から生徒全員におほめの言葉を頂戴しました。また,もう少し時間をかけることができれば学術論文に投稿させたいということなので,来年度に課題研究Ⅲをとっている生徒はもちろんのこと希望する生徒については是非挑戦してもらいたいと思います。
 今年度一年間,生徒達のためにご指導いただきました風間聡先生,小森大輔先生,福本潤也先生始め学生の川守田智さん,吉澤一樹さん,中口幸太さん,橋本泰行さん他多くの方々に深く感謝申し上げます。

 これまで指導してくださいました先生方と学生の皆さんと一緒に記念写真

平成27年度 第2回SGHメコン川フィールドワーク

12月19日(土)から11日間,SGH課題研究ⅡAを選択している高校2年生の中から6名がタイとカンボジアを訪れ,SGHフィールドワークを行いました。
 タイの北部南部チェンコンでは,メコン川の調査・観察をして地域住民と勉強会を行っているNGO「メコンスクール」を訪れ,現在のタイ北部でのメコン川に関する問題の調査,およびメコン川とチェンコンの家庭の水質調査を実施しました。その後,チェンライにある中高一貫校「サーマッキー・ウィタヤーコム校」を訪問し,我々が取り組んでいる課題研究についてのプレゼンとディスカッションを行うとともに,交流を楽しみました。
 カンボジアでは夏に引き続きシェムリアップを訪れ,アンコールクラウ村とトンレサップ湖の水上集落でのインタビュー調査や水質調査を行い,現地での「水問題」に関する研究を深めました。

  
メコンスクールでのインタビュー  メコン川の水質調査        現地校でのディスカッション
(タイ・チェンコン)       (タイ・チェンコン)       (タイ・チェンライ)

  
サーマッキー校での交流      トンレサップ湖でのインタビュー  アンコールクラウ村でのインタビュー
(タイ・チェンライ)       (カンボジア)          (カンボジア)

中3「海外研修旅行(IS)」

~ 常夏の地で“発見”の連続 生徒たちは多くのものを持ち帰りました!! ~

 去る1月27日(水)から31日(日)までの5日間,中学3年生はシンガポールへの海外研修旅行を行いました。初日(27日(水))と最終日(31日(日))は移動日になりますので,現地での研修は実質3日間となります。出発時に現地の天気を確認したところ,28日(木)と29日(金)は雨模様,それも結構強い雨が懸念される予報でしたが,ちょっと強めの雨に当たったのは28日(木)の最後の研修地である「ナイトサファリ」の時だけでした。それもトラムの中だったのでひどく濡れることはありませんでした。この予報に反した好天がそれぞれの研修を一層充実したものにしてくれました。

  
チャイナタウン          ラッフルズ像広場         ナイトサファリ

  
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ    マーライオン・パーク       サンズ・スカイパーク

 今回も直前にトルコやインドネシアでテロがあり,保護者の皆様にはアンケートの提出や臨時保護者会への出席をお願いすることになりましたが,最終的には多方面から現地情報等を入手して「シンガポールは日本と同等の安全が確保されている国である」との判断のもと海外研修旅行を実施させていただきました。お陰様で,生徒たちにとっては国際理解を深め,国際感覚を養うための良き学びの機会になったと感じています。3年生の保護者の皆様のご理解とご協力に深く感謝申し上げます。

中1「SR冬巡検」

~ 新雪に覆われた泉ヶ岳の“冬”を満喫!! ~

 去る1月20日(水),中学1年生がSR冬巡検で泉ヶ岳へ出かけました。
 今回の目的は我々の木の観察とスノートレッキング。1月16日(土)に1学年教員等が下見に出かけた時には泉ヶ岳に雪はなく,スノートレッキングの実施が危ぶまれましたが,18日(月)に県内にまとまった雪が降り,19日(火)も泉ヶ岳は雪だったとのことで,一面新雪の銀世界が生徒たちを待っていてくれました。しかも当日は晴天。最高の環境での実施となりました。
予定どおり,午前は我々の木の観察を行い,生徒たちは樹形のスケッチ,樹木の直径や高さの測定,相対照度の測定,冬芽の観察,林床の環境観察などのメニューに取り組み,自分たちが決めた樹木が季節の移ろいの中でどう変化しているか感じ取っていました。
そして,午後はスノートレッキング。新雪を踏みしめる感覚はとても心地良く,冬山の魅力を堪能してきました。途中,足を取られて転ぶ生徒もいましたが,新雪の布団がこれまた心地良さそうでした。
 現在,生徒たちは総合学習の時間を利用して観察のまとめを行っています。3回の巡検の成果を,来たる3月3日(木)の授業参観の折に保護者の皆様にもご覧いただきたいと思います。

  
我々の木の観察                           スノートレッキング

中2「イングリッシュ・キャンプ(IS)」

~ 3日間の英語合宿を通して,生徒たちの口からは自然に英語が…!! ~

 去る1月26日(火)から28日(木)まで,中学2年生は“Don't worry! We can create an active atmosphere!”(安心してください!私たちなら積極的な雰囲気を創ることができる!)のスローガンのもと,東北自治研修所(富谷町成田)において2泊3日全ての活動を英語で行う「イングリッシュ・キャンプ(英語合宿)」を行いました。
 生徒9人に1人の割合で外国人講師(ALT)が付き,1日目と2日目の前半は英語に親しみつつスキルアップを図るための様々な活動を,2日目の後半は英語で行うプレゼンテーションの準備を行いました。そして,3日目はいよいよプレゼンテーション本番です。「日本の文化を紹介しよう」をテーマに,各班それぞれの持ち味を生かした,レベルの高い発表が行われました。発表後の,やり遂げたという達成感と満足感にあふれた表情が印象的でした。英会話力の向上はもちろんですが,コミュニケーションの大切さを深く認識する機会にもなり,人間的にも一回り成長した生徒たちの姿がそこにはありました。
 この3日間で学んだことを今後の生活や英語学習に,また来年度の香港・マカオでの海外研修旅行で生かしてほしいと思います。

  
ALTとの活動                           プレゼンテーション大会

大阪市内水氾濫実態調査及び市建設局での発表会を実施

 12月23日(水)と24日(木)の2日間,高校2年生の小柳津唯花さんと室井佳純さんの2名が大阪市を訪れ,市内の内水氾濫実態調査と大阪市建設局で調査研究した内容の発表会を実施しました。
 小柳津さんと室井さんは学校設定科目「SGH課題研究ⅡA」の中で東北大学大学院工学研究科の小森大輔先生の研究グループと連携して研究を進めています。大学4年生の中口幸太さんと共同で大阪市での内水氾濫常襲地の分布と特性を過去の20年間の水害データを用いて調査研究をしています。
 今回は,過去4回以上洪水等で家屋が浸水した地域を水害常襲地として大阪市内を実際に訪れて地形や高度,雨水の排水路などを調査したり,住民の方々にインタビューをしたりしました。事前に100メートル四方で浸水した地域を区切っていましたが,インタビューをすると地域によっては20メートル四方という局所的に浸水した地域もありました。インタビューなどの現地調査から新しい発見を見つけることができ,大変有意義な調査でした。
 また,24日(火)の午前に大阪市建設局を訪問して大阪市のハザードマップなどを作成している担当者の皆さん(注1)の前で発表をしました。今回調査をした地域について担当者の方々から指導助言をいただき,今後より良い研究につながる貴重な機会になりました。
 今回の調査については3月4日(金)の校内発表会と3月5日(土)の岩手大学で行われる土木学会東北支部技術研究発表会で発表する予定です。

(注1)大阪市建設局 下水道河川部
施設管理課 正野哲也さん(担当係長) 上杉和弘さん 水環境課 水窪俊博さん(担当係長)
調整課 檜山幹さん(担当係長) 井上晃介さん 他多くの方々に参加していただきました。

  
住民の方へインタビュー      建設局の皆さんの前で発表     調査した地域を説明中

 
調査した地域を説明中

北上川河口のヨシ原へ再び…

~ 中学3年生11名が,フィールドワークで訪ねたヨシ原での体験活動に参加しました ~

 去る12月6日(土),(株)トヨタマーケティングジャパンが主催,7月の北上川下流域フィールドワークでお世話になったNPO法人リアスの森が共催,(有)熊谷産業が協力した「岩手県・宮城県:みんなの北上川流域再生プロジェクト新しい北上川をつくっていこう。」の「第3回:津波で被害を受けた河口の再生をめざして,ヨシ刈りをしよう!」に,中学3年生11名(男子5名,女子6名)が参加しました。
「7月に北上川下流域フィールドワークで植栽したヨシはどうなっているのだろう?」「ちゃんと根付いて育っているのだろうか?」そんな思いを抱いての参加でしたが,対岸を走るバスの中からの確認となり,各々が「あの辺だったかなぁ?」と目を凝らしていました。
 11名は,午前に「ヨシ刈り体験」,午後に「ヨシを使った門松づくり体験」に取り組んだ後,「ヨシ原再生活動の意義についての講話」をお聴きし,改めてヨシの果たす役割の大きさと環境保全の大切さを実感していました。11名からは「体験した内容を次年度以降に生かしてもらいたいので発表の機会を」との申し出がありました。1月の集会で報告してもらう予定です。

  
ヨシ刈り体験           ヨシ刈り体験           ヨシを使った門松づくり体験

JICA研修受け入れ

 10月8日(木),JICA研修「教員養成課程における方法と技術」の一環で,アジア・アフリカの8カ国から教育省担当者や教員養成の大学関係者ら13名を受け入れました。
 この研修プログラムに参加した研修生の国々では,現在教育改革に取り組んでおり,中でも教員養成の質の向上を目指しているそうです。そこで,今回の研修はJICAと宮城教育大学のコラボレーションのもと約3週間に渡って実施され,日本の教員養成制度について研修するとともに,実際に教育現場を訪れ,授業を見学したり教員との意見交換などを行いました。
 そのうちの1日が仙台二華での研修で,本校からは中高一貫教育やスーパーグローバルハイスクール(SGH)の取り組みなどを紹介しました。研修生の皆さんは,本校の教育活動に興味津々で,意見交換会では数多くの質問が出されました。「世界の水問題」をテーマに取り組んでいる本校の課題研究に関しては,インターネットを活用した自国の学校との交流を提案する方々もいました。
 また,研修生は中学校・高校の授業を参観した後,高校2年生の「SGH課題研究ⅡA」の授業に参加しました。各グループに2人ずつの研修生に入ってもらい,事前に依頼していた自国の水問題に関するプレゼンテーションとディスカッションを英語で行ってもらいました。実際に生の声を聞いた生徒にとっては,自分が研究しているタイ・カンボジアを中心とした水問題と,他国,特にアフリカ諸国との問題を比較することができ,とても貴重な経験となりました。

研修参加者
カンボジア 教育青年スポーツ省教師教育部教員養成室副室長
ラオス 教育スポーツ省教師教育部事務局副局長
教育スポーツ省サワンナケート教員養成大学副学長
バングラデシュ 初等大衆教育省国立初等教育アカデミー局長
初等教育局教員養成校教育長
ミャンマー 教育省教師教育部ミャウグミャ教員養成校長
ブータン ブータン王立大学パロ教育大学教務部長
ザンビア 教育省チャールズ・ルワンガ教員養成校長
エチオピア 教育省教員・学校経営者養成部教員養成教育指導官
マラウイ 教育科学技術省ドマシ教員養成校人文学部長
マラウイ教育研究所政策評価研究部長
マラウイ工科大学教育メディア学部長
マラウイ大学チャンセラー校養育学部副学部長

    
グループ・ディスカッションの様子  グループ・ディスカッションの様子  意見交換会の様子

  
課題研究ⅡAの生徒と記念撮影    授業参観の様子

中1総合学習(IS)「地球の食卓」

~ 食料事情を通して,世界の国々の状況について理解を深めました~

 10月2日(金),6・7校時の総合的な学習の時間に,「世界を知る」の第3ユニット『地球の食卓』の授業をワークショップ形式で行いました。前回の『世界がもしも100人の村だったら』同様,山形のNPO法人IVY(アイビー)の職員の方と留学生のみなさん合せて10名に講師をお務めいただいたことで,生徒たちの関心や意欲を高めながら授業をスムーズに進めることができました。
 生徒たちは,各教室でグループをつくり,配られたそれぞれの写真を食い入るように見て,「どこの国なのか」「食べものにどのような特徴があるか」「家族構成はどのようになっているか」「そして1週間にかかる食費はどのくらいか」といったことを,熱心に考え,話し合っていました。
 それぞれのグループが話し合った内容を発表した後,代表生徒が感想を述べました。そのなかには「日本の当たり前が,世界では当たり前でないことが分かった」「口にする食料の量が国によってこんなにも違うことに驚いた」といった発表がありました。「本当の豊かさとは何か?」「日本が置かれている立場は?」「日本ができる国際貢献とは?」などについて深く考えることができました。
 このISの学習は,2年生での「世界を知る第4ユニット『貿易ゲーム』」「イングリッシュキャンプ(2泊3日の英語合宿)」,3年生での「海外研修旅行(香港・マカオ方面)」に系統的・発展的につながっていくことになります。

  

SGH北上川フィールドワーク

 9月27日(日)、28日(月)の1泊2日、SGHのテーマ学習「世界の水問題」の一環として、高校1年の北上川フィールドワークが行われました。目的は、北上川沿いにある水に関係する施設を視察し、それぞれの歴史や役割等を直接見聞きすることを通して、日本における水問題についての理解を深めることです。今年度は主に歴史郷土・防災・自然・環境の4つのテーマに分けて学習活動を行いました。ここで学び、調べたことをレポートにまとめ、10月下旬以降の課題研究に結びつけることになります。
 1日目の午前は、2クラスが岩手県一関市にある北上川学習交流館(あいぽーと)での防災学習をして、4クラスが焼走り溶岩流での岩石観察を行いました。午後は、全員で八幡平市にある松尾鉱山跡地での植樹活動を行う予定でしたが、突然の雷雨のためやむを得ず中止になりました。環境保全活動の一環で今年で8回目になる植樹活動を行えなかったのが非常に残念でした。夕方には独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)松尾管理事務所で所長をされていらっしゃる浅野英郎先生に旧松尾鉱山新中和処理施設で行っている松尾鉱山跡地のpH2.2の強酸性水をpH4.2まで中和する処理について施設の説明も交えながら講義をいただきました。
 2日目は6クラスが2クラスずつ3班に分かれ、A班は八幡平市にある岩手県内水面水産技術センターで日本百選にも選ばれた金沢清水の豊富な地下水を使った養殖研究を学習し、その後奥州市の胆沢平野で昔起こった水争いなどについて胆沢平野土地改良区の担当者の方にガイドをして頂きながら徳水園やその周りを見学しました。B班は緩速ろ過方式と急速ろ過方式の両方を取り入れている米内浄水場を見学し各家庭に安全な水をどのように供給しているのかを学習し、その後に北上川学習交流館で学習しました。C班は四十四田ダムでダムの役割と水力発電について学習し、その後に北上川学習交流館で学習しました。どの班も大変有意義な学習をすることができ、後日実施した事後報告でグループごとに報告会をして報告書を作成しました。

  
米内浄水場の緩水ろ過施設     徳水園周辺の取水口        北上川学習交流館の集中管理室

 
グループで作成した報告書     グループで作成した報告書
※画像クリックでPDF開きます   ※画像クリックでPDF開きます

グローバルリーダー養成講座

 8月10日(月)から14日(金)までの5日間,本校でグローバルリーダー養成講座が行われ,中学3年生15名と高校1年生17名,2年生1名と仙台白百合学園高等学校の高校1年生2名の計35名が参加しました。
 この養成講座は,仙台二華SGHの3つの取り組みの1つである「言語活動」の一環として行われたもので,グローバルマインドや英語によるコミュニケーション能力を身につけることを目的としています。
 今年は,ファシリテーターとしてGuy Smith先生(ニュージーランド出身)を,チューターとしてカリフォルニア大学の大学生8名を招き,経験豊かなGuy先生の進行により,生徒5,6人に1人のチューターがついて,英語でディスカッションなどを行っていくかたちで行われました。
 始めに,簡単な自己紹介と自分のパートナーの紹介の後,このプログラムでの目標をグループで話し合いました。3日目は,ノーベル平和賞受賞者のマララさんのスピーチをもとにリーダーシップについて考えました。また,高齢者にとっての理想の社会についてグループで話し合い,グループでドラマを作りました。最終日の発表の際に必要なスキルを磨く良い機会になりました。最終日は,「プログラムを通して学んだ事」を全員の前で発表しました。発表前の準備でチューターから細かいところまでしっかり見てもらい的確なアドバイスを伝えてもらったおかげですばらしい発表になりました。
 5日間楽しいことばかりではなく,大変なこともたくさんあったと思いますが,終了後に達成感と充実感を得たと思います。全員が大きく成長できた5日間でした。

  
自己紹介の様子          グループで話し合い        全体写真

中2総合学習(IS)「貿易ゲーム」

~ 1年生での学びをもとに,世界の現状認識を深めました ~

 9月4日(金),中学2年生は総合的な学習の時間に,外部講師の先生方をお招きして「貿易ゲーム」を行いました。「貿易ゲーム」は,「世界の貿易や経済のしくみを知るとともに,その問題点や今後解決すべき課題(南北格差,経済支援,産業廃棄物,環境破壊など)に気づく」ことを目的としており,生徒は各クラスで5人1組のグループに分かれて活動しました。ルールは「暴力や盗みはいけない」という1つだけ。各グループには袋が1つずつ配られます。袋の中のものを使って,指定された形を作ってマーケットへ売りに行きます。実は袋の中身はグループごとに違っています。
 開始早々,グループ間での交渉や取引が活発に行われ,クラス内ではあっという間に取引のための言葉が飛び交うようになりました。様子を見ていると,黙々と形をつくる役,交渉する役,他のグループの様子を偵察する役など,自然と役割が分担され,本当の国のように活動するグループもありました。
 最後に講師の先生方から「このゲームを通して起こっていることが,現実の世界でも起こっている。そのことにも想像力を巡らせて行動することが大切だ」というお話をいただきました。授業後,生徒たちからは「もっとやりたい」という声が聞かれました。
 世界に羽ばたく二華中生,実際の世界でどう行動するのか,今後のさらなる成長が楽しみです。

  

  

平成27年度 第1回SGHメコン川フィールドワークを実施

 8月1日(土)から11日間,SGH課題研究ⅡAを選択している高校2年生の中から6名がタイとカンボジアを訪れ,SGHフィールドワークを行いました。
 タイの南部ラノーンでは「汽水域での水問題」をテーマに,マングローブの植生の状態,伐採状況,エビ養殖池の土地利用の状況,商品作物を作るようになってからの生活の変化などについての調査を行いました。
 カンボジアではシェムリアップを訪れ,上智大学や現地NGOとの連携をもとに「急速に都市化する農村の水問題」や「水利都市としてのアンコール」などについて学びました。また,周辺の農村やトンレサップ湖の水上集落でのインタビュー調査や水質調査を行い,現地での「水問題」に関する研究を深めました。
 今年度の第2回メコン川フィールドワークは12月に実施予定です。

  
マングローブ林での調査      村長へのインタビュー       水上集落
(タイ・ラノーン)        (タイ・ラノーン)        (トンレサップ湖・カンボジア)

  
水上生活者へのインタビュー    アンコールクラウ村での水質調査  アンコールワットにて
(トンレサップ湖)        (カンボジア)          (カンボジア)

中2「SRポスターセッション」

~ 中学2年生「水問題」をテーマに,自由な発想で研究発表を行いました ~

 7月17日(金),二華会館を会場に2年生は「SRポスターセッション」を行いました。すでに7月7日(火)の授業参観でも保護者に対して発表しており,今回の1年生に対する発表は2回目になります。反省点を生かして,笑顔ではきはきと説明していました。
 「ろ紙の種類による透明度の違い」「世界を支える『浮力』とは?」「転太郎君を助けろ!~水と片栗粉の最強コラボ」「水で柔らかい肉をつくろう!!」「プロジェクトZ~水と建築物の戦い~」など,生徒たちは自由な発想で課題を設定し,地道な実験で仮説の検証を行い,自分たちなりの結論を導き出していました。また,演出の工夫も,ドラマ仕立てで楽しく発表し,1年生の笑いを誘っている班もありました。
 講評では,宮城教育大学大学院教授の田幡憲一先生から,「それぞれの班が工夫を凝らしていて楽しい発表でした。数値化することに苦労したと思いますが,数値を比べることは大事なことなので研究では重視してほしい。ある班は肉の柔らかさを測定するために,つまようじに一定の重さを課して測っていて面白いと思った。また,追求するためには単純化することも大事。あまり複雑にしないことを心がけてほしい。」と2年生に向けたご指導がありました。また,1年生に対しては「研究は準備が大事。今日の2年生の発表を参考に,今から意識して来年を迎えてほしい。」とのご助言がありました。
 2年生にとっても,1年生にとっても実り多い2時間になりました。

  
A組               B組               C組

 
1年生が積極的に質問をしました

中3(SR)「北上川フィールドワーク」

 7月5日(日),梅雨の合間の曇り空の中,石巻市北上町大須で「北上川フィールドワーク」を実施しました。
 本校高校1年が北上川上流の岩手県八幡平でフィールドワークを行っていることを踏まえ,中高の学びの連続性を深めることを目的に,中学3年の時期に北上川下流でのフィールドワークを行うことにしました。
 予定どおり午前10時頃,現地に到着した生徒たちは,NPO法人「りあすの森」顧問の武山文衛さんから「北上川葦原の昔と今」という題で講話をいただきました。続いて,事前指導でお世話になっている東北工業大学工学部環境エネルギー学科教授の山田一裕先生から水生生物観察後の葦原再生作業の段取りについて説明をいただきました。
 講話をいただいた後,生徒たちは早速干潟に入り,グループごとに設定した50㎝四方の方形区から泥を取り出しました。その泥を何度もふるいに入れ川の水で洗い流しながら,水生生物(ゴカイ,チゴガニ,シジミなど)の観察を行いました。また,干潟を流れる小川に網を入れるとハゼの稚魚や小エビなどをたくさんすくうことができ,生徒たちは大喜びでした。改めて,自然と語らうことの喜びや楽しさを感じることができました。
 続いて,生徒たちは葦の移植活動に取り組みました。「葦を掘り起こす」「葦を運ぶ」「葦を植え付ける」の3グループに分かれ,意欲的に活動しました。しかし,頑張れば頑張るほど泥に足をとられ,一人また一人と心ならずも泥に身を投じる女子生徒が… 限られた時間の活動で移植できた範囲はわずかでしたが,貴重な体験になりました。
 昼食後は熊谷産業に移動し,会長の熊谷貞好さんから「葦」について,「縄文時代のたて穴住居のしくみは葦を利用した建築方法と同じ。現在ホームセンター等で売られている葦簀(よしず)は輸入したものがほとんど。葦の利用の在り方は多様で様々なものに利用できる。日本人は葦の良さを見直し,積極的に利用すべき。葦原の保存においても刈り取って使用するのが一番。ほったらかして置くのは良くない。」とのお話をいただきました。また,熊谷さんからは「自然とどう共存していくかは,これからの時代を生きるみなさんにとっても大きな課題になる。」とのメッセージが贈られました。
 生徒たちは座学では学べない,フィールドだからこそ学べたことをたくさんのお土産にして帰路に着きました。

 

方形区の設定と泥の採取
ふるいで泥を洗い流す作業
水生生物の採集

葦の掘り起こし
葦の運搬
葦の植え付け

中1総合学習(IS)「世界がもし100人の村だったら」

~ 世界の状況を体験を通して学びました ~

 去る6月19日(金)の6・7校時に,1年生は「世界を知る」の第2ユニットとして「世界がもし100人の村だったら」を行いました。今回は公益財団法人仙台観光国際協会に加え,山形のNPO法人IVY(アイビー)の方々のご協力をいただきながら,「識字率」が低いことが生む悲劇や貧富の格差が拡大していることの弊害などを体験的に学ぶことで,世界の国々の「多様性」を理解しつつ,より良い世界の在り方という視点で考えを深めました。疑似体験の一つとして,生徒たちはもらったビスケットの枚数(一番多くもらったグループが70数枚に対して,一番少ないグループが1枚の半分(0.5 枚))で,世界における富の分配のアンバランスを実感し,その差の大きさに驚きの声をあげていました。
 今回の学習は,1年生にとって「適切な世界観」を身に付ける良き機会になりました。また一歩,『地球市民(グローバル・シチズン)』へとつながる階段を昇ってくれたように感じます。2学期には第3ユニット「世界の食糧事情」を学習する予定です。

30 年後の世界についての話合い
文字が分からず毒を飲む生徒も

ビスケットをもらった生徒たち

富の分配の現状に驚く生徒たち

中1総合学習(IS)「世界の国からこんにちは」

~ 国際理解を深め,国際感覚を磨く学習がスタートしました ~

 去る5月22日(金)の6・7校時,中学校1年生は総合的な学習の時間に「IS(インターナショナル・スタディ)」をスタートさせました。1年生の段階では,世界の人々との交流を通して文化の違いを知ったり,世界の国々の現状を把握し問題の所在を明らかにしたりします。そして,2年生での「イングリッシュキャンプ(英語合宿)」,3年生での「海外研修旅行」につなげていくことになります。
 今回は,公益財団法人仙台観光国際協会の紹介で,フィリピンの最上・カルメリータ・オハさん,ラトビアのアリーセ・ドンネレさん,タイのポーンルグロッチ・チャーノンさんの3名を講師にお招きしました。
 各講師の方々から,母国の歴史や文化等を中学生が理解しやすいように説明していただき,二華中1年生の知的好奇心が大いに刺激されたようで,質問の時間も盛り上がりました。チャーノンさんは学習終了後も生徒に囲まれ,質問攻めにあっていました。短い時間でしたが,本当に良い国際理解の時間となりました。
 本校は文部科学省からSGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定を受けています。本格的な課題研究は高校でスタートすることになりますが,中学生段階では「現代社会を生きる地球市民としての『適切な世界観』」「そこに生きる人々の気持ちを受け入れことのできる『共感する力』」の育成が求められています。高校で大きく飛躍するための下支えとなるような力をしっかり育んでいきたいと考えています。

A組:オハさん(フィリピン)
B組:ドンネレさん(ラトビア)
C組:チャーノンさん(タイ)